民主主義が正しく機能するためには、
民意を反映する選挙制度だけではだめで、
肝心の選挙民が正しい判断をして、投票することが求められます。
そのためには、
1.選挙民に正しい情報が届けられることと
2.選挙民が正しい情報を選別する能力があること(情報リテラシー)
が、必要になります。
そして、1.には、
①教育として与えられる過去の蓄積された情報と
②各種メディアから得られる、現在の情報
があります。
今回は、このうちの①教育がテーマです。
今、子供たちは、どんな教科書で何を学んでいるのか、ということです。
そして、それは「主権者教育」として、適切なのか?
という問題意識があります。
私の知っている方で、家が教育一家だったという人がいます。
家族、親戚には、学校、幼稚園などの教育に関わる方が多かったそうです。
自分も将来は学校の先生になると思い、
周囲からもそのように期待されていたようです。
この方は、大学のゼミで、
教科書が文部省の検定の過程で
どのように変遷したかを調べたそうです。
その結果、彼は、
こんな教科書を使って教えたくない、
と、学校の先生になるのをやめて、
塾の先生になったそうです。
長期自民党政権のもとで、
同党の文教族議員は、文部省(現文部科学省)に
強い影響力を及ぼして来ました。
教科書の検定にも、
その影響を見て取ることができます。
別の事例を紹介します。
私たちの世代が中学生だったころ(今から60年前)、
中学校の社会科は、
一年生が地理、二年生が歴史、三年生が政治・経済・社会でした。
そして、「政治・経済・社会」は、その後「公民」と名称が変わりました。
「政治・経済・社会」という分野を一年間教わっていました。
今の中学三年生は、前期までは歴史を習い、後期で「公民」を習っています。
「政治・経済・社会」という分野は、半年に短縮されています。
当然、教科書も薄くなっています。
私たちの頃の教科書では、巻末に付録として、
日本国憲法の全文が収録されていました。
今の教科書には、収録されていません。
今の子供たちは、憲法を読むことなく、
義務教育を修了することになります。