極右勢力の伸長について(3)

学習院大学井上寿一教授が、
「日本は共産圏になかったので、
極右化の恐れはない」と

書かれていましたが、
これについても反論があります。

現状の日本は、戦後史上最も極右勢力の伸長が
見られ、思想的には危険な状況にあります。

元々、左だ右だということ自体、
相対的なことなので、
人それぞれで、見方が異なると思います。

ドイツやイタリアで極右と呼ばれるのは、
戦前のナチスファシストの流れをくむ政治勢力です。

これと同様に考えるなら、日本では
戦前の軍国主義を肯定する勢力
ということになります。

日本における極右とは、
大東亜戦争は正しかった」というイデオロギー
を持つ勢力と、ここでは定義しておきます。

この勢力は、
軍国主義を美化し、
その名誉を回復しようとしている様に見えます。

大東亜戦争は、
欧米の植民地からアジアを解放するための聖戦であった、
という歴史観を持っています。

私は、戦後、日本は軍国主義を否定し、
憲法の元、民主的な国家として生まれ変わったと、
ずっと何十年も思って来ました。

確かに、基本的な枠組みは、
建前上はそうなんです。
多数の国民はそうだと思います。

しかし、けっしてそうではない勢力も、
ずっと存在し続けていたのです。

しかも、その規模は、思った以上に大きく、
そして今や、その発言は完全に市民権を得ています。

私は、太平洋戦争を開始したことは、
現代日本史における、最大の誤りであり、

どうすれば、戦争を避けることができたのか、
何が問題だったのか、

という観点で歴史を検証すべきだと
思っています。

そして、多数派の歴史は、そういう観点で書かれています。

しかし、事実を実証的に検証し記述する歴史を、通説を、
自虐史観」だと非難する勢力がいます。

こうした勢力は思っている以上に大きかったのです。

新しい歴史教科書をつくる会」の教科書が、
複数の教育委員会で採用されています。

百田尚樹の「日本国紀」は、ベストセラーになっています。
また百田の日本保守党は、衆議院で3議席を確保しています。

自虐史観」に反対する参政党は、衆議院で3議席
参議院で2議席を確保しています。

みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」には、
超党派で多数の国会議員が参加しています。

戦前は軍人が靖国神社宮司を務めていたそうです。
そして今、元自衛隊幹部の方が、宮司を務めておられます。

旧陸軍士官OBの親睦団体であった、「偕行社」と、
陸上自衛隊幹部OBの「陸修会」は、合併し、
「陸修偕行社」となっています。

その初代理事長、火箱芳文氏(元陸上自衛隊幕僚長)は、
「我々の精神的なよりどころは靖国神社だ」

「我々は旧軍人の末裔のつもりでずっとやってきた」
と語っています。

近年、陸上自衛隊海上自衛隊自衛官が、
靖国神社に集団参拝していることが、
明らかになっています。

そして、その中の連絡文書に、
大東亜戦争」の文字が使われていたことも
発覚しています。

安倍首相は、国会で先の大戦侵略戦争と見るかと
見解を聞かれ、「侵略という言葉の定義は色々ある」
とかなんとか言って、明言を避けました。

安倍首相の下で文部大臣を務めた、萩生田光一は、
「学校で教育勅語を教材として使うことには、
何の問題もない」と語っています。

自民党の国会議員、三原じゅん子は、参議院予算委員会で、
戦時中のスローガン、「八紘一宇」を礼賛する発言をしました。

安倍さんは、
NHKの経営委員に、百田尚樹長谷川三千子を送り込み、

皇室関係の有識者会議では、櫻井よしこ渡部昇一が、
講師として人選されました。

いずれも、相当に右に偏った人選です。

安倍さんが推した人、安倍さんを推す人、

つまり、安倍さんの岩盤支持層は、
自民党議員の半数近くを占めています。
自民党総裁選での高市早苗の得票率から推定)

国民(有権者)の中では、岩盤保守層は四分の一ぐらいでしょうか?

いずれにしても、決して少なくない勢力です。