消費税について(1)

参議院議員の選挙があるというので、
各党から消費税減税の話が出ています。

まず、基本的なことを言わせてもらいます。

これまで、緩みっぱなしの
財政運営をやっていただいたおかげで、

日本政府の借金は
1300兆円にまで膨らんでいます。

諸外国も借金をしていますが、日本は断トツです。
民間の会社だったら、取締役は全員クビだと思います。

景気対策だ、財政出動だ、と言って、
お金をどんどんつぎ込んで、
法人税は減税するなどした、結果です。

公共事業などで、お金を使えば、
それが雪だるま式に設備投資を招き、
何倍もの需要を引き出す効果を生む。

ということは、ありません。

たとえば、ある新規事業を起こすために、
新たに事務所を開設して、
大量のパソコンを買ったとしても、

パソコンの中身は、メイド・イン・チャイナです。
日本がいくらお金を使っても、雪だるまは起こらず、
中国に吸い取られるだけです。

新規事業で人を大量に雇って、給料を払ったとしても、
その労働者が購入する食料品は、食料自給率が低いために、
輸入原材料の比率が大きく、

結局はアメリカや中国に吸い取られ、雪だるまは起こりません。
今のように自由な貿易をしている環境では、雪だるまは
起こっても早めに減衰するということです。

新規事業を受注した企業は、儲けても、
国内の需要がないために、設備投資できず、
内部留保が増えるだけです。

もしくは、海外に投資するかもしれません。
いずれにしても、雪だるまは起こりません。

景気対策でお金を使うのは、
やめていただきたいと思います。

小泉構造改革のころから、
財政規律のタガがはずれたような気がします。

何でもお金を使えば景気対策になると
思っている。

景気対策をやるなら、
お金を使わないでやっていただきたい。
お金を使わないで、制度を造って景気対策をすればいい。


とにかく、借金まみれなので、
減税ではなく、
緊縮財政、増税をしないといけないところです。

インフレ対策として、
減税する、一時的に税率を変更する
という考え方には反対です。

この先もっとインフレが高進したら、
どうするんでしょうね。

ただし、消費税というのは、
もともと問題がある税制なので、
恒久的に見直すというのはあると思います。

消費税の問題点を二つだけあげます。

一つはよく言われる「逆進性」です。

所得税などは、「累進課税」です。
所得が大きくなるほど、税率が高くなります。
高額所得者には、より大きな税率が適用されます。

これによって、「所得再分配」という効果がもたらされます。
資本主義の下で貧富の差が大きくなるのを
多少でも緩和する効果があります。

ところが、消費税は逆なのです。
所得の少ない人ほどより大きな税負担をしています。

所得の少ない人は、貯金に回す余裕がないので、
収入は、全て費用にあてて使います。全額が消費税を課されます。

高額所得者は、収入の一部しか使いません。
結果として、消費税を負担する率はさがります。

所得再分配」というのは、
税制が果たすべき重要な機能です。

資本主義社会にあって、
社会をよりマイルドな、共生的なものにし、
社会不安をなくそうとする効果が期待できます。

ところが、消費税は、
こうした税制が果たすべき役割を
放棄しているのです。

格差を拡大する税制です。

これが、消費税の第一の問題点です。