思想信条の自由

基本的人権のひとつに、
「思想信条の自由」があります。

言論の自由」と言うのと似ていますが、
ちょっと違いがあります。

言論の自由」は、何を言ってもいい
ということではありません。

他人を誹謗中傷すると、
名誉棄損罪、侮辱罪などで
訴えられることがあります。

「思想信条の自由」は、
無条件の自由です。

だれもこれを侵すことはできません。
特定の思想や信条を強要することは、
できません。

思想信条のゆえに、
刑罰を科されることは、ありません。

ところが、人間の内面の自由を侵す行為が、
平然と行われていることがあります。

維新の橋下徹大阪府知事が、
学校行事で君が代を斉唱するときに、

校長に命じて、
教員の口をチェックさせたことがありました。

これは、江戸時代の踏み絵と同じです。

こういうことは、やってはいけないということを
教えるのが、本来、民主主義の教育です。

府知事や校長は、
教育者にあるまじきことをやっているのです。

ところが、日本の最高裁は、
国旗・国歌を強制する校長の職務命令は、

憲法19条の保障する思想・良心の自由
抵触するものではない
という判決を出しています。

いったい、何なの?
この人たちは!

最高裁の判事はすべて内閣が指名(長官)、
任命(他の判事)しています。

要するに、自民党の長期政権下で、
自分たちにとって都合のいい人ばかりが  
選ばれているのです。

アメリカでの判例を紹介します。

1943年、バーネット事件、連邦最高裁判決:

「国旗に対する敬礼および宣誓を強制する場合、
その地方教育当局の行為は、
自らの限界を超えるものである。

しかも、あらゆる公の統制から留保されることが
憲法修正第1条の目的であるところの
知性および精神の領域を侵犯するものである」

1970年、バンクス事件、フロリダ地裁判決:

「国旗への宣誓式での起立拒否は、
合衆国憲法で保障された権利」

1977年、マサチューセッツ州最高裁

「公立学校の教師に、
毎朝始業時に行われる国旗への宣誓の際、

教師が子供を指導するよう義務付けられた州法は、
合衆国憲法にもとづく教師の権利を侵す。

バーネット事件で認められた子供の権利は、
教師にも適用される。

教師は、信仰と表現の自由に基づき、
宣誓に対して沈黙する権利を有する」

1977年、ニューヨーク連邦地裁:

「国歌吹奏の中で、星条旗が掲揚されるとき、
立とうが座っていようが、個人の自由である」

1989年、国旗焼却事件、最高裁判決:

「我々は国旗への冒涜行為を
罰することによって、
国旗を聖化するものではない。

これを罰することは、
この大切な象徴が表すところの自由を
損なうことになる」

1989年、上院可決の国旗規制法を却下、最高裁判決:

「国旗を床に敷いたり、踏みつけることも、
表現の自由として保護されるものであり、
国旗の上を歩く自由も保障される」

1990年、最高裁判決:

連邦議会が、89年秋に成立させた、
国旗を焼いたりする行為を処罰する国旗法は
言論の自由を定めた憲法修正1条に違反する」