トランプの関税について、
世の教養ある知識人は、ほぼ100%、
これに反対しています。
大恐慌後のブロック経済政策が、
第二次世界大戦の素地を
作ったという認識から、
戦後、
関税と貿易に関する一般協定(GATT)
が締結されたこと(1947年)。
そして、その自由貿易推進は、
WTO(世界貿易機関)に引き継がれ、
今日に至っていること。
などを説き、トランプの関税は、
こうした世界が築き上げてきた、
戦後秩序を無にするものであると排撃します。
しかし、
私はこの論調には、必ずしも
賛成できません。
そもそも、貿易は、
できれば、しないに越したことはない、
と思っています。
貿易するということは、
物を移動させるわけで、
余分な物流コストが発生します。
船舶にしろ、航空機にしろ、
化石燃料を燃焼して運搬するわけですから、
地球温暖化対策に、逆行しています。
だから、極力、
「地産地消」の方に転換した方が
いいと思っています。
昔は、「舶来品」という言葉がありました。
高価なもの、貴重なもの、
という感じが含まれていました。
日本にないもの(原材料など)は、
輸入しなければなりません。
ところが、今は、
日本で調達できるものまで、
何でも輸入しています。
安いからというだけで、
輸入しています。
何でも、made in China です。
私は、「自由貿易協定」に反対です。
日本は、資源がないから、
資源を輸入し、これを加工して、
輸出する、「加工貿易」で発展してきました。
私たちは、小学校のときから、
この言葉を習ってきました。
TPPの話がアメリカのオバマから出た時、
民主党政権の菅直人首相は、
これを「第三の開国」といって歓迎しました。
彼は、私たちより少しだけ上の世代なので、
彼も「加工貿易」という言葉が
しみ込んでいたと思います。
そこから、「自由貿易」に飛びついたのかもしれません。
或いは、「新自由主義」的な風潮も影響していたかもしれません。
私は、アメリカ、カナダ、メキシコの
北米自由貿易協定(NAFTA)にも反対でしたし、
現在、日中韓で進めようとしている自由貿易にも反対です。
TPPで、オバマが、
「アジアの成長を取り込む」
と言っていましたが、
これは、
「他人のふんどしで相撲を取る」
ようなものだと思いました。
日本が高度経済成長した時と、
今は条件が全く異なっています。
最大の要因は、
鄧小平の改革開放政策による
中国の台頭です。
中国との自由な経済交流で、
日本では産業の空洞化が見られました。
日本の労働者は、
中国の安い労働力と競争しなければならず、
労働者派遣法の改正などで、
非正規雇用が拡大しました。
これが、勤労者全体の賃金の下降を招き、
日本経済の長期停滞(失われた30年)
や少子化をもたらしました。
また、今日、安全保障上の最大の脅威は中国ですが、
これを支えているのは、日本、米国、欧州です。
中国とより自由な経済関係を持っているために、
中国製品を買い、中国に現地法人を作り、
中国を繫栄させ、儲けさせています。
そして儲けた中国企業から吸い上げた税金で、
中国は国防費を飛躍的に拡大させてきました。
自由貿易で、日本は停滞し、安全保障環境も悪化しています。