「ソ連・東欧圏の崩壊」は、
20世紀の一大ビッグイベントでした。
でも、この出来事の歴史的な意味や、
その後の世界や日本にもたらした影響は、
正しく理解されているのでしょうか?
どうも、あまり論じられていないような気がします。
ここで「ソ連・東欧圏の崩壊」と言っているのは、
1989年のベルリンの壁崩壊に始まり、
1991年のソ連の解体に至る過程のことです。
これは、端的に言えば、
「20世紀の人類数十億人を巻き込んで行われた、
社会主義の壮大な実験は、失敗に終わった」
ということだと、思います。
お店に行っても、モノがない。
肉屋に肉が置いてない、
人気の車は、注文してから届くまで10年以上もかかる。
社会主義経済は、うまく回っていなかったのです。
これを背景に、
共産党の一党独裁という抑圧された体制に反旗を翻し、
自由を求めた人々の起こした革命でした。
「社会主義の壮大な実験は、失敗であった」
という私の見方は、
多くの人にも共有していただけるものと思うのですが、
そのように見ていない人がいます。
日本共産党です。
同党は、「ソ連・東欧圏の崩壊」を
社会主義の失敗と言うようには、
捉えていない様です。
彼らの論拠は、現時点で、私には不明ですが、
「社会主義」「共産主義」の旗を
おろしていません。
社会主義が失敗であったという
私の見方からすれば、
共産党は解党して、綱領、党名を捨て、
新たに社会民主主義政党として
出直したらいいのではないかと思ったのですが、
そういう動きは、全くない様です。
一方で、「ソ連・東欧圏の崩壊」を、
冷戦における資本主義の勝利と
捉える見方があります。
この見方も違うと思います。
社会主義は、資本主義に負けたのではなく、
自壊した、自滅したのです。
このシステムではうまく行かなかったから、
そのシステムが崩壊したのです。
「資本主義が勝った」と言う見方は、
市場経済を絶対視する、「新自由主義」を
増長させました。
結果的に、西側資本主義が劣化したように
思えます。
冷戦の時代は、もっと緊張感があり、
資本主義側も、まじめに福祉国家を
めざしていたと思います。
へまをやって、資本主義の矛盾が露呈すれば、
革命が起こって社会主義陣営に付け込まれることもあるので、
うかうかできません。
ところが、資本主義が勝ったなどと有頂天になり、
冷戦が終わり、体制を脅かすものがないとなると、
資本の欲望が独り歩きしていないでしょうか。
「新自由主義」とは、単に衣装替えした、
「自由放任主義」ではないかという、
気がします。
歴史的には、すでに否定された経済思想へ
昔帰りしたようなものです。
そして、冷戦の終結で、
世界中が民主主義になるかのような
根拠のない楽観論に包まれていました。
あれから、30年、
ロシア、ベラルーシ、ハンガリーなどは、
権威主義的になり、
欧州、米国、日本でも、
民主主義が危うくなっています。