こんな時代を生きるようになるとは、
思ってもみませんでした。
田中角栄が、
「わしら、戦争を経験した者が
(政治を)やっている間は
戦争にはならない」
と言っていました。
今は、戦争を知らない子供たち、孫たち
が政治を担う時代になりました。
かつて、今から55年ほど前、
1970年代に「日本軍国主義の復活」
ということが論じられたことがあります。
当時、私は、そういう題名の歴史家・羽仁五郎が書いた本を
読んだこともありました。
私は、「日本軍国主義の復活」という言い方は
おかしいと言っておりました。
なぜなら、「復活」と言うためには、
一度死ななければならないけれど、
日本軍国主義は、死なないで
ずっと生きていたからです。
イタリアのファシズムや、ドイツのナチズムは、
一度完全に排斥され、死にましたが、
日本は、そうではなかったのです。
でも、それは日陰の存在でした。
生きてはいるけど、社会的には、多数派にはならないと、
思っていました。
時々、自民党の閣僚や議員の問題発言があり、
新聞にたたかれるということもありました。
でも、そういう人達は主流ではなく、傍流だと思っていました。
私は、どうも過小評価していたようです。
私が思っていた以上に、軍国主義勢力は大きかったのです。
そして、自民党内では、主流派になっていたのです。
安倍一強の時代に主流派になり、
高市政権で継承・強化されています。
連立の相手が、公明党から維新に変わったことで、
より右傾化しました。
戦後、もっとも右寄りの政権、極右政権が出現しました。
「連立政権合意書」では、
「国家観を共有し」と
謳われています。
安倍さん本人は、あまり明確には、語っていませんでしたが、
安倍さんが支援した人達、
安倍さんを支援していた人達の発言から、
安倍さんの思想・歴史観も容易に推測できました。
彼らの歴史観、思想では、
大東亜戦争は正しかった。
それは、欧米列強の植民地からアジアを解放するための
正義の戦争であったとし、
軍国主義を擁護・肯定し、
戦後民主主義、憲法を否定し、
戦前に回帰しようとしています。
彼らの論法の特徴は、
「押しつけ憲法論」と「歴史修正主義」
です。
「押しつけ憲法論」について、
私は、小論文を書いて、これを反証しています。
日本国憲法は、「押しつけ憲法」ではありません。
このブログでも、「日本国憲法の成立過程」(1)~(4)
として、投稿しております。
(2025年8月9日~12日投稿)
「押しつけ憲法」と思っている方には、
是非読んでいただきたいです。
三島由紀夫がこの文を読んでいたら、
彼は死なずに済んだかもしれません。
(ここまで言うと言い過ぎでしょうか)
「歴史修正主義」とは、
歴史学者・武井彩佳(学習院女子大教授)の定義では、
歴史的事実を否定したり、
意図的に矮小化したり、
一側面のみを誇張したりすること、
となっています。
こうした歴史が、大真面目に語られ、
歴史的な知識のない人、
物事を批判的に見る訓練ができていない人は、
簡単に信じこんでいるのではないでしょうか。
歴史修正主義者は、事実を記述する歴史を
「自虐史観」として排撃します。
彼らにとって、歴史とは、
偉大な日本、すばらしい大和民族を
描くものでなければならない、
歴史を記述することは、事実を
そのように脚色することに他ならないのです。
安倍さんが言っていた、
「戦後レジームからの脱却」とは、
戦前レジームへの回帰のことだったのです。
出版、マスコミの世界でも、
極めて右派色の強いものがあふれています。
新聞の下欄に書籍の広告が出ていますが、
戦前の軍国主義を主導したイデオローグの著書や、
15年戦争の主要人物であった
軍人の自伝が出ていたりします。
百田尚樹の「日本国紀」は、
関連書を含めると
100万部の大ベストセラーになっています。
「正論「Will」「Hanada」といった
右派系雑誌が売れています。
書店では、「ヘイト本」が並んでいると、
言われました。
以前、ホテルの部屋には、新約聖書や仏教の本が
置かれていたものですが、先日泊まったホテルには
右翼思想家の本が備えられていました。
テレビのコメンテーターも、
安倍さんの擁護者が並び、
ジャーナリストとして質問するような
キャスターは、どんどん降板させられました。
戦争をかっこいいものとして描く映画、
特攻を美化する映画が作られ、
東条英機を主人公にした映画もありました。
「治安維持法」について質問された
政府の答弁者は、
「当時としては適法に処理された」などと
回答していました。
この人の法感覚はどうなっているのでしょうか?
1970年、三島由紀夫は、自衛隊にクーデターを呼びかけ、
応じられず、割腹自殺しました。
時の総理大臣、佐藤栄作は、
「(三島の文を読んでみたが)わからない。
正気の沙汰とは思えない」と評しました。
この反応は、極めてまともな常識だったと思います。
今、三島に心酔し、その時の檄文を自分の部屋に
貼り付けているような人物が、
防衛大臣になり、今度は官房長官になっています。
関東大震災での朝鮮人虐殺を否定するかのような知事が
多選されています。
変な番組を作ったら、電波許可を取り上げるぞと言って
脅していた人物が、首相になりました。
高市内閣の支持率は
65%(毎日新聞)~75%(サンケイ新聞)
となっています。
羽仁五郎さん、
戦後80年にして、日本軍国主義は
完全に復活しました。