スイス南部のレッチェンタール渓谷にある
ブラッテン村で、5月、
上流にある氷河が崩壊し、
土石流が人口300人の村をのみ込みました。
解けた氷河と土砂の総重量は
推定2000万トン。
村があった谷底には、
深さ最大数十メートル、
長さ2キロにわたって
氷や土砂が堆積し、
村の9割が消えました。
州当局の事前の監視による警告で、
村民は約1週間前に村外へ避難していたので、
犠牲者は1人だけでした。
氷河崩壊の一因として考えられるのが
地球温暖化です。
ブラッテン村のベルバルト村長の言葉です。
「自然は人よりも強いが、
人は自然と共生することはできる。
私たちはそうやって生きてきた。
人には自分の故郷、ルーツ、歴史、伝統
がある場所に住む権利がある。
その権利は誰にも奪えない」
福島で、震災・原発事故を経験した
住民の気持ちと共通するものを感じました。
COP30のイベントで、
「プラス3度近い気温では、
多くの地域で氷河がほぼ消滅する」
と研究者が訴えています。
氷河の融解に伴い、注視されているのが、
氷河湖の決壊です。
氷河湖とは、
氷河の浸食でできたくぼ地に、
水が溜まってできた湖です。
90年代以降、氷河湖の
数や面積の増加が確認され、
今後も増えると予想されています。
氷河湖決壊による世界規模のリスクについて、
「世界で1500万人が
氷河湖決壊による洪水の影響を受ける可能性がある」
という論文も出ています。
このうち930万人は、アジアの高山帯に住む人たちです。
氷河は小さくなっていき、
氷河湖は増加しています。