2011年3・11から15年~原発への回帰(5)

「原子力ムラ」は、お金が儲かるようです。

日本は、原子力関係に
数カ国分の研究予算を投入しているそうです。

政・官・財・学の「原子力ムラ」において、
予算配分をするのは、政・官で、
それを享受するのは、財・学ということでしょう。

原発推進と再生可能エネルギー推進とは、
反比例の関係にあるようです。

2011年の東日本大震災のあと、
脱原発と再生可能エネルギー推進の気運がありました。

ここで、ピンチをチャンスに変えて
再生可能エネルギーの一大産業を起こせば、
日本は世界をリードできると思いました。

しかし、民主党政権の後を受けた安倍政権下、
地球温暖化対策で政治がリーダーシップをふるう
ということは、まったくありませんでした。

一番の矢面に立ったトランプ(第一次トランプ政権)がいたので、
その陰に隠れて多少は目立たなかっただけです。

温室効果ガスの排出が多い石炭火力発電について、
G7欧州各国は、廃止の方向で動いていましたが、
しっかりこれにブレーキをかけたのが安倍政権でした。

既存の産業構造を擁護し、
何度も日本は「化石賞」を受賞しました。

「化石賞」とは、環境NGOが、
気候変動対策に対して足を引っ張った国に
皮肉を込めて贈る不名誉な賞です。

太陽光パネルの生産では、
日本が世界一だった時期もありましたが、
今はご存じのように中国が圧倒的シェアを持っています。

風力発電でも、中国や欧州が主導する巨大産業になっており、
日本はまったく取り残されています。

世界では、電源構成に占める再生可能エネルギーの割合が、
2025年上半期に初めて石炭を上回り、
最大の電力源となりました。

世界の再生可能エネルギーの割合は、
34%を超えたという数字も聞きました。

2022年度のデータですが、日本は、
化石燃料:72.8%、再生可能エネルギー:21.7%
原子力:5.5%、となっています。

日本の再生可能エネルギーは
20%を超えてから、伸び方が鈍化しているそうです。
普及率で、世界と日本の間には、10%の開きがあります。

こうして、日本は世界のトレンドに背を向けて
再生可能エネルギーよりも
原発へ回帰する政策が顕著になっています。

世論が、この傾向を容認、助長しています。
これには、マスメディアの影響も大きいと思います。

「原子力ムラ」が、大手マスメディアを支配していて、
こちらの意見の方が、
より大きく有権者の耳に届いています。

政府機関の発する情報は勿論ですが、
テレビ番組やコメンテーターも、
「原子力ムラ」のプロパガンダを流しています。

「原子力ムラ」の意向に反する、
再生可能エネルギー派は
圧力を受けます。

(4)で引用した、ジャーナリストの青木美希は、
大手全国紙の新聞記者でしたが、
記者職をはずされたそうです。

政・官・財・学の「原子力ムラ」の結束は
人事面でもあらわれています。

原子力行政において、
原発を管理・審査・規制する側の国の機関・省庁に、

管理・審査・規制される側の電力会社・原発メーカーから
多数が出向しているそうです。
50名という数字も聞きました。

これで公平な審査ができるのでしょうか。
なあなあの関係ができてしまっているのではないでしょうか。