毎日新聞、4月5日朝刊。
イギリスの「エコノミスト」の元編集長、
ビル・エモットのコラムが目にとまりました。
「イラン戦争」が突きつける五つの現実
核抑止同盟の揺らぎ
というタイトル、サブタイトルがついています。
記事を抜粋・要約します。
戦闘継続中のため、最終的な結論を出すのは時期尚早だが、
長期的な変化について、下記5点が顕在化している。
<1点目>
まず、長期的に最も懸念されるのは
核兵器拡散への潜在的な影響だ。
北朝鮮の金正恩は、
自国がイランのような攻撃を受けずにいるのは
核開発のおかげだと豪語している。
日本の政府関係者の間でも最近、
核保有の是非を巡って
驚くほど率直に議論されている。
同盟国を核の傘で守る米国の「拡大抑止」が
もはや当てにならないのではないか
との懸念が反映されているのだろう。
<2点目>
インド太平洋地域で米国が主導する、
中国・北朝鮮・ロシアに対する抑止力の
強さと信頼性に疑問を投げかけた。
米国は戦闘開始からわずか数週間のうちに
最良の兵器やミサイル防衛システムの備蓄の
大部分を使い切ってしまった。
年間1兆ドル近くの防衛費を費やしているにもかかわらず、
短期間の戦闘で米国が深刻な戦力不足に陥っているようにみえる。
<3点目>
将来的にミサイルやドローン攻撃に対する防衛が必要になる
という教訓を多くの国々に示した。
アラブ首長国連邦やカタールなどの湾岸諸国は
イランによる度重なる攻撃にさらされたが、
既存の防衛システムでは十分に防げなかった。
理由の一部は、迎撃ミサイルの世界的な不足だ。
<4点目>
エネルギーと重要鉱物を備蓄し、
供給網の多様化を図る必要性。
ホルムズ海峡は世界の年間石油供給量の
約5分の1が通過する戦略的な「要衝」だ。
しかし、米国は軽視していた。
<5点目>
トランプ米大統領が
過去1年にわたって同盟国を侮辱し、
批判してきたにもかかわらず、
同盟国が彼を支持しないと
すぐに怒りをあらわにする。
イラン戦争は、彼がかんしゃくを起こして
北大西洋条約機構(NATO)から
米国が離脱する可能性を高めている。
以上が、ビル・エモット氏のコラムの抜粋・要約です。
いずれも注目すべき視点だと思います。
ただし、よく吟味してみることも必要です。
また、もし仮にそうだとしても、
「だったら、どうする」という戦略・方策は、
慎重に、複眼的に考えたいものです。