今、インフレが起こっている理由。
「アベノミクスによる大規模緩和策が
現在も続いているということが最大の原因です」(加谷珪一)
なのに、日銀・植田総裁が、利上げして
金融政策を正常化しようとしているのを、
必死に足を引っ張っているのが、高市早苗です。
アベノミクスは、意図的に
円安・物価高・株高をもたらす政策です。
おかげで、日経平均株価は、とうとう
59,000円台に突入しました。
6万円にせまるという前代未聞の状況です。
昔、「狂乱物価」という言葉がありましたが、
今は、「狂乱株価」です。
株を持っている人は、ホワイトハウスでの高市早苗のように
踊り狂いたいのかもしれません。
アベノミクスは、元々デフレ脱却を目指して、
物価高を指向した政策でした。
でも、日銀・黒田総裁の在任中には、デフレ脱却はできませんでした。
黒田さんは、就任時に、2%のインフレターゲットは、
異次元緩和ですぐにでも実現できるようなことを吹聴していたのですが。
アベノミクスは、デフレ脱却はできないまま、
円安、企業物価上昇をもたらしましたが、
産業は衰退、一人当たりGDPは落ちて、
実質賃金は継続的に低下。
人口減は止まらないという状況です。
なのに、
金利は下げたまま、
円安・インフレ・物価高を止めない。
アベノミクスの失敗を認めない。
そういう人が総理大臣をやっています。
「株高」の根本的原因は、日銀の大規模緩和策です。
円が余っていることが、物価高を引き起こし、
株高を招いています。
金融緩和→インフレ→物価上昇→株高
という構図です。
こういうインフレの時代は、株や不動産など、
物価に応じて価値が上がる資産を持っている人=富裕層は、
ますます富み、
持たざる者はますます貧しくなり、
貧富の格差が拡大します。
インフレ政策とは富裕層のための政策であると言うことができます。
また、財政規律のゆるみと円安の進行は、
日本国への「市場」の信頼を揺るがせています。
国債の格付け低下・長期金利の上昇をもたらしています。
これによる国債費の増加は、国家財政をさらに圧迫しています。
私の計算ですが、約11兆円。(高市総裁誕生から今日までの金利上昇)
これは、高市早苗を総理・総裁にしていることにより
日本国が負担している費用です。
とても首相の給料どころの話ではありません。
アベノミクスの何が悪かったのでしょうか?
これは、アベノミクスだけの問題ではなく、
世界を席巻している経済学の問題だと思っています。
それは、「経済成長第一主義」です。
「経済成長率第一主義」「GDP主義」です。
誤解のないように言っておきますが、
私は経済成長が悪いと言っているのではありません。
経済成長を第一とする考え方がよくないと言っているのです。
経済は「循環」すればいい、「成長第一」である必要はない、
「成長第一」を追求すべきではない、
それが社会をひずませている、と思っています。
GDPで計測される数値(経済成長率)を最大化することが、
経済学の目的であるかのように考える風潮があります。
そして、それは経済学に留まらず、
すべてを支配する傾向があります。
戦前の日本は、軍が第一でした。
だから、軍国主義と呼ばれました。
軍が、国防がすべてに優先するトップ・プライオリティーでした。
そして今は、軍に替わって、経済がその地位を占めています。
「軍国主義」が「経済第一主義」になっただけです。
単一の価値観で物事が測られています。
あらゆる事象が、貨幣的価値に換算されて
値踏みされます。
経済成長率という数字を上げること
だけが大切であるかのように振舞われてはいないでしょうか?
維新や自民がご熱心なカジノ・リゾートも
倫理的な視点が欠落し、
「儲かればいい」という発想になっています。
新自由主義と言えば、
アメリカのミルトン・フリードマンですが、
彼の率いるシカゴ大学の研究者・学生らが、
チリのアジェンデ政権が軍事クーデターで倒れた時に
歓声を上げたという話を聞いたことがあります。
倫理観がないのです。
安倍さんの場合は、新自由主義ではない様です。
国会で質問されたときに、はっきりと
「それは自分たちの行き方ではない」と否定しています。
安倍さんの母方の祖父は、岸信介ですが、
彼は、「満州国は、自分の作品である」と言いました。
この言葉には、戦前の「革新官僚」「新官僚」の
第一人者としての、面目躍如たる思いが込められています。
満州国は国家(日本)主導の計画経済(「満洲産業開発五か年計画」)
が中心であったので、新自由主義とは真逆の経済思想です。
こうした、国が経済に強く介入するやり方は、
戦後の日本の政府・官僚にも影響を与えていると言われるので、
安倍さんの経済思想は、新自由主義ではないのでしょう。
(日本維新の会や、渡辺喜美の「みんなの党」は、
新自由主義の傾向が見られました)
安倍さんがアベノミクスで最初にやったのは、
日銀総裁を白川さんから黒田さんに替え、
2%のインフレターゲットを導入したことでした。
2%のインフレターゲットは、欧米でも取られている
金融政策ですが、この考え方が、
まさに「経済成長率第一主義」です。
インフレ・物価高は、いいわけがないのですが、
彼らは、これが経済成長率を押し上げると考えているようです。
インフレ・物価高では、株価は上昇しますが、
株を持っている、富裕層・機関投資家には都合がよくても
株を持たない庶民には、うれしくない政策です。
多少給料が上がっても、さらに物価は上がり続け、イタチごっこです。
結局、株を持ったエリートたちが、富裕層・大企業のために
やっている金融政策という感じがします。
インフレ・物価高に苦しむ、没落した中間層・貧困層の怒りが、
トランプ、MAGA(Make America Great Again)を
生み出しているのではないでしょうか。
トランプという選択、彼の方法論は間違っており、
トランプ支持者には、問題の根本原因が何なのか
よく見えていません。
が同様に、民主党も、彼らの怒り、問題の本質が十分に理解されず、
したがって有効な処方箋を提示できていません。
既存のエスタブリッシュメントたちが取ってきた政策に、
庶民がノーを突き付けているのです。
何年か前に、「ウォール街を占拠せよ」(Occupy Wall Street)という
運動がありましたが、これなども同様だと思います。
これまでのマネー資本主義、金融資本主義からの変換が求められています。
私は、それは「経済成長第一主義」からの脱却だと思ってます。
まずは、2%のインフレターゲットという政策は止めていただきたい。
デフレも、インフレもよくない。
物価は安定している状態が好ましい。
それが中央銀行の第一の存在意義です。「経済成長」ではありません。