トランプ政権下で、9月2日、
ベネズエラから米国に向かっていた
船が麻薬を運んでいたとして、
米軍が、公海上で爆撃し、
11人を殺害しました。
そして、9月15日、
再度、同様の爆撃をし、
今度は、3人を殺害しました。
こういうことが、たびたび行われると、
これが常態化し、
違和感なく受け止められるおそれがあるので、
あえて言わせていただきます。
これは違法です。
普通の国は、常識をわきまえている国は、
こういうことは致しません。
日本では考えられないことです。
普通の対応としては、
船が米国の領海に入った後に
沿岸警備隊が船員を拘束することになります。
この場合でも、「拘束」です。
いきなり「殺害」ということはありません。
トランプのやり口は、フィリピンのドゥテルテ大統領が、
自国の麻薬取り締まりで、捜査員が犯人を逮捕ではなく、
いきなり射殺することを容認していた手口です。
国際刑事裁判所(ICC)により、
人道に対する罪にあたる可能性が高いとして、
逮捕状が発行されました。
フィリピンの現政権は、
この逮捕状に基づき、ドゥテルテを逮捕し、
彼は、オランダ、ハーグの拘留施設に収監されました。
ドゥテルテは、警察権の濫用です。
トランプも同様です。
トランプは、今のところ14人殺害ですが、
これが数百人、数千人になると、
彼もICCから逮捕状を発行されることになります。
米国の場合、公海上で、
警察権を行使しています。
公海上では、米国の警察権は及びません。
トランプは、法を犯すことに極めて無頓着ですが、
実は、トランプに限らず、米国は、
これまでも、たびたび国際法を侵す行動を取っています。
ブッシュ(父)政権下で、1989年12月、
米軍はパナマへ侵攻し、ノリエガ将軍を逮捕しました。
これは、白昼堂々と軍隊を送り込んでおり、
あまりに明白な国際法違反だったため、
いつもは米国追随の日本も
さすがに遺憾の意を表していました。
オバマ政権下での、オサマ・ビンラディンの殺害も、
パキスタン領内での警察権の行使で、
国際法違反です。
米国は、国際紛争を解決する手段としての
武力の行使を抑制しよう
などという気はまったくないようです。
外交上の一つの手段として、
軍事行動というカードを常に持っているようです。
こういう国に長く駐在して、
特にそこの政界関係者の取材をつづけていると、
そういう姿勢が移ってしまうのでしょうか?
NHKのワシントン支局長だった人が、
北朝鮮への核の先制攻撃を提案していたのには、
驚きました。